
花束といえばフラワーギフトの入門的な商品…初めてギフトとしての花を購入する方は「フラワーアレンジメント」よりも「花束」が真っ先に思い浮かぶはず。
そんな花束の起源には諸説ありますが、古代から「人から人へ花を贈る」習慣があったと言われており、特にヨーロッパで発展した文化と考えられています。最もロマンチックで有名な由来は、中世ヨーロッパのプロポーズにまつわる説です。
- プロポーズの儀式説:
- 男性が愛する女性の元へ向かう道中、野に咲く花を摘んで花束にし、それを女性に渡してプロポーズしました。
- 女性が結婚を受け入れる返事として、その花束から一輪を抜き取り、男性の胸元に挿したと言われています。
- この花束がブーケ、胸元に挿した一輪の花がブートニアの起源とされています。このため、ウェディングブーケとブートニアは、永遠の愛の誓いの証という意味合いを持っています。
- 魔除け・厄除け説:
- 古代や中世ヨーロッパでは、ハーブが虫よけや抗菌作用があると考えられており、疫病や悪霊・災いから身を守るための「お守り」として、ハーブを束ねたもの(タッジーマッジー)を身につけていました。
- 大切な花嫁を守る願いを込めて、このハーブの花束を持たせたことが、ブーケの始まりとする説もあります。
花を束ねて贈るという行為は、言葉では伝えにくい感情や想いを託す手段として、古くから世界中で行われてきたようですね。
🌹 ウェディングブーケの起源:より詳しい話
ウェディングブーケは、単なる装飾品ではなく、魔除けと愛の誓いという二つの重要な意味から発展しました。
1. 魔除けとしてのハーブとスパイス
最も古い起源は、古代ローマ時代や中世ヨーロッパの**「タッジーマッジー (Tussie-Mussie)」**という小さな花束にあります。
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目的: 疫病、悪臭、悪霊から身を守るための魔除けとして、強い香りを持つハーブ(タイム、ローズマリー、ニンニクなど)やスパイスを束ねて持っていました。
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結婚式への導入: 大切な花嫁を病気や災いから守る願いを込めて、ハーブを束ねたものを持たせたのが始まりです。当初は見た目の美しさよりも、実用的な役割が主でした。
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変遷: 時代が下るにつれ、徐々にハーブに加えて美しい花が加えられるようになり、装飾的な要素が強くなっていきました。
2. プロポーズと愛の誓い(ブーケ&ブートニア)
前述のプロポーズ説は、ウェディングブーケの形を決定づけるロマンチックな物語として定着しています。
| 要素 | 象徴する行為 | 意味合い |
| ブーケ (Bouquet) | 男性が女性に花を贈る | 永遠の愛を捧げる |
| ブートニア (Boutonnière) | 女性がブーケから一輪抜き取り、男性の胸元に挿す | プロポーズを受け入れ、あなただけを愛する |
現在、ブートニア(新郎の胸元を飾る花)は、花嫁が持つブーケの一部を使うのが伝統的なスタイルであり、この儀式の名残を現代に伝えています。
💐 花言葉(Language of Flowers)の起源
花束の文化をさらに発展させたのが、「花言葉」の文化です。これは、特定の国で秘密のコミュニケーション手段として発達しました。
1. トルコ発祥の「セラム (Selam)」
- 起源: 17世紀初頭のトルコ(オスマン帝国)で、**「セラム (Selam)」**と呼ばれる風習が発展しました。
- 内容: トルコでは、女性が公共の場で自由に会話することが制限されていたため、花や物に感情や意味を込めて送り合う、秘密のコミュニケーションの手段として使われました。
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例えば、チューリップは「完璧な愛」を意味していました。
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2. ヨーロッパへの伝播
- 流行: 18世紀にヨーロッパ、特にイギリスやフランスに伝わり、貴族社会で大流行しました。特にヴィクトリア朝時代(19世紀)のイギリスでは、社会的慣習やエチケットが厳しかったため、直接的な愛情表現が難しく、花言葉を使ったメッセージのやり取りが洗練された秘密の愛の表現として重宝されました。
- 専門書の出版: 様々な花言葉をまとめた**『花言葉辞典 (The Language of Flowers)』**が多数出版され、贈る側も受け取る側も、辞書を参照しながらメッセージを読み解くという文化が確立しました。
花言葉の起源は、このように社会的な制約がある中で、人々が感情を表現する創造的な方法を求めた結果として生まれたと言えます。


